大場大のブログ "セカンドオピニオン"

がん治療専門医による、個人的な「つぶやき」ブログ

脱・近藤誠理論のがん思考力

最近、対談形式にして、その出版勢力をさらに拡大しつつある元慶應義塾大学放射線科医師 近藤誠氏ですが、彼の言説にある「思考破綻」をすべて明らかにした新刊が本日発売となりました。

脱・近藤誠理論のがん思考力

 近藤理論の根拠がいかに客観性を欠いているか。自身にとって都合のよいエビデンスばかりを調達してくることで、仮説に仮説を重ねてつくられた机上の理屈であることを示した内容となっています。

サイエンスとしての誤謬を糺したうえで、正しい思考のベクトルを併せて示したつもりです。

ぜひ、医療関係者の方々にもお読みいただけたらと思います。本書の内容レベルを把握しておけば、近藤理論と対峙しても信念対立に落とし込まれずに、クールな批判が可能となるでしょう。

 

真摯な医療とは、医学に基づいた実践学であり、その本質は人類愛に基づく利他の営為とされています。そして、今ある医療の姿は、まだ見ぬ将来の同様な患者さんのために、数えきれない多くの患者さんたちからの「命のバトン」を繋いできた歴史によって進歩を遂げてきました。だからこそ、倫理という礎のもとで普遍性を帯びたものでなければいけません。

 

過去において、手術至上主義のうえに君臨していた外科医の傲慢さにモノ申されたり、いち早く海外の動向をとらえて乳房温存療法の標準化を先導されたこと、そしてインフォームド・コンセントの普及にも寄与された業績は、先輩医師として賞賛に値する素晴らしいものだと評価します。
しかし、現在の近藤氏のふるまいは、がん患者さんの立場に立った利他的な営為とは言えません。そこには次世代に向けて託していかなくてはいけない学問や教育など見当たらないからです。

 

近藤言説を、もしかしたら「教養」枠として妄信してしまっている近藤氏ファンの方たちは、この機会にいかに認知的閉鎖にあるかを認識していただけたらと思います。また、一部の蛸壺タイプ信者に申し上げたいのは、匿名であることをよいことに、amazon レビュー欄やネット上で事実無根の話で貶めようとしたり、誹謗中傷を繰り返す、理知を欠いたふるまいはくれぐれも謹んでいただきたい。

 

拙著を参考にしていただくことで、近藤理論に漂うモヤモヤ感が払拭され、一般の方々のリテラシーがさらに深まることを願います。そして、社会が近藤理論を裁けるようになればと期待しています。

 

脱・近藤誠理論のがん思考力

脱・近藤誠理論のがん思考力